西新宿の高層ビルに囲まれた裏路地で、元々ガレージとして使用されていた場所を再生し
ジャパンクラフトにこだわったクラフトビアバーとして蘇らせるプロジェクト。
ここで店を作るにあたり元々ガレージだった場所性を取り戻す為、あえて作らないという方法を選択した。
その訳は作るのではなく作られていく過程こそがガレージの魅力であり、完成された空間だらけの世の中で
未完成であるガレージという空間は特異な存在となる。そこに空間的魅力があると考えたから。
元々あった造作を解体していく中で見えてきた階段の裏側や、増築されたようにボコっと飛び出た不思議な狭小スペース。
階段の裏側は客席からよく見えることからラインナップされた各ビールの特徴を描いた黒板に。
ボコっと飛び出た狭小スペースは、壊れた壁のままドアを設置してトイレに変えた。
建物が持つ元々の特徴を見極め、最適な見せ方をさせることでそこに価値を与え余白を残すことで、
今後お店のスタッフがつくり上げていく。その未完成な空間こそがまさしくガレージと呼ばれるのだと思う。