豊かさについて考える。
空間のラグジュアリーさや、酒の種類の豊富さ、バーテンダーのカクテルメイクの技術など、
当たり前のように競い合って発展してきた日本のバーという空間。
西欧からやってきたバー文化はオーセンティックバーに代表されるように日本独自の形へと昇華した。
epulorにおいてはそんな西欧由来のバー文化とは異なり、日本古来の茶室の考えの延長線上にある存在だと考えている。
12坪という空間の中に設置されたコの字カウンターは現代の茶室。
酒の種類を絞ることで客人の迷いを取り払い、真空管アンプから流れる拘りの音楽と、
華美さはなくとも無垢の素材が持つ質感や密度において成立するミニマルな空間において客人をもてなすという思想です。
物質が飽和化する現代において、無駄なモノを除くことにより生まれる内面の余白こそが今の時代の豊かさだと思う。